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2010年2月 8日 (月)

土地区画整理事業の「清算金」について

 朝日新聞を見ていたところ、こんな記事に行き当たりました。

http://www.asahi.com/national/update/0207/OSK201002070005.html

 朝日の記事は期間限定掲載だと思いますから概要を書きますと、長年にわたり継続していた神戸市内の土地区画整理事業において、突然多額の「清算金」徴収の連絡が届き、当惑している地権者が多い、という話です。

 この「東灘山手地区」というのは、以前私が居住していた地域にも近く、良く知っている土地区画整理事業です。町並みは確かに見違えるように美しくなり、神戸市内の土地区画整理地域の代表的な場所(高級住宅地)であると言って良いと思います。しかし換地設計において、できるだけ清算金は発生しないようにうまく設計すると思うのですが、このように多額の清算金が発生したのは意外でした。土地を大きくして欲しいとか、過去に何か無理を言った地権者が多かったのかは、良くわからないです。

 原則として(特約等で定めない限り)清算金に関する権利・義務は「現在の地権者」に対して発生しますね。おそらく ふじみ野では、こんな事態にはならないだろうとは思いますが、土地区画整理地域内で「仮換地」の土地を購入した方は、土地区画整理組合から説明を受けるなどして十分に注意をして欲しいです。いきなり多額の徴収を言われても、分割払いにする、ローンを組むなどしないと払えない可能性も有りますし。仮換地の売主や仲介業者が買主に対して「清算金」の義務が有るという事実を隠していたりしますと、もっと厄介だと思います。

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コメント

たぶん事業費が膨らんだというより、保留地の処分が上手く行かなかった(土地の増進が目論見を下回った。)からではないでしょうか?
地下が右肩下がりになると土地区画整理事業は上手く行きません。
仮換地を買うのと保留地を買うのとでは大違いです。
前者は清算金がつきまといますが、後者は一切関係ありません。
事業に精通していないと大変です。

投稿: もれもれ | 2010年3月27日 (土) 21時35分

 もれもれ様、こんにちは。

 この件ですが、神戸の事例は私も詳細は良くわからないのですが、清算金の場合には事業主体に内部留保として残る訳ではなくて、清算金を払う人と受け取る人がいて相殺するとゼロになる筈ですね。受け取る側の人がクレームを言う(もしくは自慢する)訳が無いと思いますから、クレームを言っているのは払う側の人であろうと思います。

 一般的には清算金ができるだけ発生しないように仮換地設計をすると思うのですが、仮換地について文句を言う人が多くて、従前の土地よりも条件の良い仮換地が割り当てられた例が多かったのでしょうかね。いわゆる「申出換地」が多かったのでしょうか。そのような場合には、価値向上した分だけ清算金を払うのは当然の話なので、仮換地の段階で不動産売買があった場合、買主がそういう話になっている事を知らないと騒ぎになると思うのです。私であれば、土地区画整理事業の「平均減歩率」と購入する仮換地の実際の減歩率を比較して検討します。あと神戸の場合には極端に狭い宅地も多いので、減歩率の緩和など特殊な取り扱いも色々と有るようなので、そのあたりは個別に質問して良く確認しないといけないですね。仮換地を購入する場合の基本チェックだと思います。厳しく考えますと、それをチェックせずに購入した場合には自己責任、不動産業者が重要事項説明をきちんと行っていない場合には不動産業者にも問題が有るだろうと思います。

 神戸の「東灘山手地区」の場合には50年間程度続いている事業なので、事業中に相続や不動産売買が何度も発生して、わからなくなっている事例も有るのだろうと思います。人間の記憶が及ばない程の長期間かけるのも、問題が有ると思いますが。山手幹線という4車線の幹線道路を通すのに難渋していたので(建設反対運動あり)、それで超長期間かかったのかも知れませんが。

 保留地の売却は、不動産市況が悪い場合には確かに問題ですね。事業収支全体に影響しますので、最悪は再減歩とか、そのような話に発展すると思われます。そのために、現在では土地区画整理事業を新たに開始する事が困難化しているように思え、都市計画事業のスキームとして新たな手法の開発が必要となっているように思えます。(地価の上昇を前提としない手法。地価が右肩上がりになるという幻想を捨てる。)ふじみ野の周辺でも、道路が狭いままで(普通自動車の離合が行えない)震災など発生したら「丸焼け」になるのではないかと懸念をしている地域が有るのですが、現状は手付かずで放置されているように思います。

 土地区画整理地域の中だけ綺麗で安全になっても駄目で、その周辺地域も含めた総合整備が必要だろうと私は思っています。事業を実施しないのは「街の総意」なので、やむを得ない側面は有るのですが、それにしても人命などの大問題になってからでは遅いと思います。私は神戸出身なので、このあたりはちょっと「拘り」が有る訳です。実際に丸焼けになった地域の実態は、あまり説明する必要も無いだろうと思います。

 あと既存の土地区画整理地域にも問題が有るだろうと思います。たとえば「アウトレットモール・リズム」(斜陽化してきた商業施設)のような問題を放置していますと、後に続く地域は怖くて新規開発に手出しできないと思うのです。先輩格の地域も、周辺地域が困らない程度に まちづくりを活性化する必要が有ると思っています。「自分さえ良ければ」「世代交代すれば知らぬ」「進出した企業が地元に対して責任を持たない」という考えは、長期間をかける まちづくりでは通用しないと思うのです。リズムの問題は、最初の運営会社が経営破綻して外国のハゲタカに不動産を奪われた時点で、かなりまずかったのであろうと思います(今から考えますと)。そのような事に対する「リスク対策」も必要なのですね。まちづくりというのは、本来はマネーゲームの対象としては相応しくないと私は思います。挙句の果ては、リーマンショックの影響で破綻ですし。

投稿: 竹内@ふじみ野.東上 | 2010年3月28日 (日) 01時19分

こんにちは!
私は某県の土木技官です。
今ままで、土地区画整理事業や公有水面埋立事業も担当しましたが、これら独立採算型造成事業の最大の問題点は、生み出した土地はこの価格で売却できるだろうという前提で、資金計画を立てる事です。
経済が右肩上がりですと(土地の供給不足)心配ありませんが、右肩下がりになる(土地の供給過多)と現金が入って来ないので借り入れなど新たな負担が発生します。これら事業は事業期間が長いので(バラ色の未来を考えている)経済状態が悪化に転換すると竣工時には大変なことになります。
また、土地の価格をどのようにして決めるのかというのも問題があり、実際の造成費から割り戻す方式と周りの地価から推し量る方式がありますが、一般には周辺地価への影響を抑えるという理由で後者を採用します。
したがって、消費者はかなり割高な土地の購入を強いられる訳で、私も仕事上旧住都公団に「あそこの売価は造成費から考えると高すぎると思う。」と再検討を促したところ、「大阪からの距離が重要です。すでにA地域とB地域を販売しているので、その中間に当たるC地域はその両地域と大阪からの時間便益で推し量ります。」という回答でした。
かの公団は多くの市町で事業を展開していますから、木で鼻を括ったような回答でした。
ご存知のように、行政がニュータウンを推進したがるのは、旧市街地と違い課税価格を新規に自由に設定出来るからです。

自分の実務経験からすると、ニュータウンではなく公租公課も安い旧市街地の物件購入をお勧めします。

また、郡部の地価は、基本的に土地の流動がないため、公共事業によって決定されるという悪循環があります。

長文失礼しました。

投稿: もれもれ | 2010年3月28日 (日) 11時00分

 もれもれ様、こんにちは。興味深い情報を、ありがとうございました。(なお、私は一般住民です。)

 私が神戸に在住していたのは、「原口・宮崎」の長期市政が続いていた時代で、開発行為優先で、神戸市開発局が開発した物件は「時価」で販売するという経営的哲学になっていたと思います。阪神淡路大震災以降、このあたりの様子はだいぶ変化しただろうと思うのですが、神戸を離れてからの年数が長く、状況をあまり詳細に把握できていないです。

 下記のような書籍紹介記事を観察しているのですが、市民に逆に行政の不備点を指摘されるなど、トホホ状態のようですね。通常は私的利害しか追求しない筈の一般市民が、全般的に悪化した市政の事を必死に考えているような所もあり、こちらの「ふじみ野市」の状況と比較をしますと、大変活発な議論が行われているように感じます。ふじみ野市は、もう危機感が薄くて困った状態だなと思うのです。市民プール事故のような厄介な事で、全国的に有名になってしまうような状態ですし。長期間、同じ首長が行政を担当した(多選)弊害かなと思うのですが。市民も、特に何もやっていないように思えます。(「埼玉都民」という感覚で、地元の事には あまり関心が無い。)

 http://civilesociety.jugem.jp/?eid=362

 あと、ふじみ野エリアの「旧市街地」なのですが、大震災に対しては脆弱と思われる箇所が多いので、元:神戸市民の私の感覚で考えますと大変怖いです。新しい土地区画整理地域の中の方が、心理的には安心できる訳です。「安全」と「心の安定」を、お金を出して購入した事になると思います。

 それからニュータウン地域の課税を重くするのは良いのですが、それは商工事業者にも影響しますよね。たとえば当地の「アウトレットモール・リズム」のケースなのですが、課税が重いとテナントが払う賃料にも影響するだろうと思います。テナントは、多少条件が良い場所でも賃料が高いと損益の観点から判断して入居しない筈なので、気になります。同じ賃料を払うのであれば、ふじみ野よりも さらに条件の良い地域が有るかも知れませんし。斜陽化して空床ばかりの大型商業施設は見たくないのですが、困った状態だと思っています。「商業振興」「地域振興」との関連性をどう考えているのか、解釈不能という訳です。リズムの地階にあった小型スーパーや100円ショップなのですが、長期にわたり撤退したままで閉店になっており、市民生活は不便なままです。変な施策だな、と思うのですが。

 首都圏でも、このような事が発生している訳です。首都圏のどのような地域でも、一様に発展している訳ではありませんね。

投稿: 竹内@ふじみ野.東上 | 2010年3月28日 (日) 18時10分

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