救急患者の「たらい回し」問題
最近なのですが、救急車を呼んでもなかなか搬送がスタートせず、ずっと無線交信していた場合が有ると見聞したところです。救急病院に患者の搬送を断られるので、多くの病院に問い合わせているという事なのですが。私の身近でもこの問題が発生し、1時間も待たされたケースが有ったようです。
これでは、本当に緊急を要する患者が生命を落とす可能性が大なので、問題だと思います。首都圏近郊である「さいたま市」において上記事例は発生していたので、深刻な問題だと思うのですが。どうしてこんなに地域医療、救急医療が脆弱化したのか不明なのですが、すみやかに解消しないといけない問題だろうと思います。救急医療に対応するスタッフが足りないのであれば、もう救急医療機関を集約化し( 24時間 X 365日 の体制で、救急患者を確実に受け入れ可能である事を確保する。)、埼玉県ご自慢の「ドクターヘリ」の運用を拡大して対処するしか無いようにも思うのですが。ただし、ドクターヘリは悪天候時には飛行できないので、やはり地上を走る救急車の併用が必要そうで、それの搬送時間が長くなるのは問題だと思います。そうなりますと、やはり首都圏の高速道路網のさらなる整備を、という話に発展しそうなのですが。
また、「救急車の不適切利用」というのが最近でも有るようで、「えっ、そんな事で救急車を呼んだの?」という事例も見聞しています。
埼玉県のドクターヘリ
http://www.saitama-qq.jp/system/renkei.html
首都圏でもこの有様なので、いわゆる「条件不利地」の場合にはどうしているのであろうかと、首をかしげています。ドクターヘリで緊急搬送するというのが唯一の方法だという地域が、どんどん増えているような気がします。緊急用ヘリポートを増設しないと、まずいでしょうね。
少なくとも「居住した場所が悪かったので、命を落としました。」という事態だけは避けないといけないと思うのです。
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コメント
首都圏近郊なのに・・・というのはあまり関係ない話で、基本的に救急車はまず最初に管内にある救急指定病院に問い合わせをします。
いきなり都内の病院に運ぶことはまずありません。
それと、実は埼玉県というのは医師の数が圧倒的に少ないのです。人口10万人当たりの医師の数でいえば、全国ワースト1。「さいたま市なのに」ではなく、「さいたま市だから」受け入れ先が少ないのです。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/06/kekka1-2-4.html
さらに言えば当地、入間東部地区は、確か現場到着から収容までにかかる時間は、県内でも1、2を争う悪条件という話を消防署職員からは聞いています。
救急指定病院はあるけど管内の病院の受け入れ状況が悪く、志木市民病院、防衛医大、埼玉医大、最悪都内までの搬送もあり、遠方まで救急車が出ると稼動できる車両が不足するので消防車で駆けつけることも珍しくありません。
また医師が少ないことのほか、小児科でいえば当地は小児医療費がタダなので、夜間でもちょっと気になったら救急病院で診てもらう傾向があることも関係しています。救急車を呼ばなくても、救急病院に直接連れて行けば一応は診てくれます。
親の立場で言えば、薬局で市販の薬を買うより安上がりだし安心ですからね。
救急外来で小児科医が手一杯だと、受け入れ拒否という事態につながります。
急病になるなら、他の地域に出かけているときがお勧めです。
投稿: みんぶ | 2010年5月 8日 (土) 18時26分
みんぶ様、コメントをありがとうございます。
実は私の家族が急病・ケガになった場合にも、地元では信頼できる救急医療機関が思い浮かばす、志木市民病院までマイカーで運んだ経験があります。他市の医療機関なので、この対応方法はどうなのか?とは思うのですが、私も志木市民病院(志木市内)、防衛医大(所沢市内)、埼玉医大医療センター(川越市内)といった所が思い浮かびます。当直体制がしっかりとしている救急医療機関、という訳です。防衛医大(所沢市内)、埼玉医大医療センター(川越市内)は3次救急の機関だと思いますから、本当にやむなき場合以外は遠慮しようと思っていますが。
ふじみ野エリアでも、もう少し強力な地域医療基盤が存在していて欲しいと思うのです。小規模な診療所とか個人経営の開業医とかはかなり多数有ると思うのですが、それらの機関では 24時間 X 365日 のフル対応は困難だというのが私の認識です。さすがに医療関係者にも、「休日」が必要でしょうから。
埼玉県のこのあたりは、急激な都市化でそのあたりの脆弱性が増大してしまったままなのか、首をかしげております。おそらく現在のままで「大震災」などがやって来ようものなら、大騒ぎになるのは間違い無いであろうと思います。埼玉県からは「東京23区」が近いので、研修医も含めてそちらに大人気があって(色々な経験を積むには、メジャーな病院が良いとか?)東京23区に医師が集中しているとか、その種の問題は無いのでしょうか? 救急医療に携わる医慮スタッフの配置はどのようなルールで決定されるのか、良くわからないです。
投稿: 竹内@ふじみ野.東上 | 2010年5月 8日 (土) 19時10分
運用する緊急車両の数が不足するのであれば、下記のような兼用車両(消救車)を採用する方法も有ると思います。このあたりは装備や予算上の工夫で、何とかして欲しいと思います。大型の消防車では、小回りがきかないでしょうし。
株式会社モリタの事例
http://www.morita119.jp/fire_engine/pump/008.html
いずれにしても、救急患者の「搬送距離が長くなる」のは、問題ですね。
投稿: 竹内@ふじみ野.東上 | 2010年5月 8日 (土) 19時15分
埼玉県に医師が少ないのは、医学部そのものが少ないこともあるのでは?と思います。
ちなみに、ワタシの出身の岡山県は人口約200万人。岡山大学医学部、川崎医科大学と2つの医学部があります。
岡山大学医学部のほうは戦前は中・四国地方唯一の医科大学が前身となっているので、医局の力も大きくレベルも高い。他県の総合病院もトップは全て岡山大学出身者で、当然医師の配置も岡山大学の医局がコントロールしている、なんていうこともしばしば聞きます。
川崎医科大学も中国地方唯一の私立の医科大学。正直レベルは高くありませんが、お金を持っている学生が集まります。なので付属病院の施設は、驚くほど充実しています。
なお、岡山県では離島を抱えているということもあり、全国初のドクターヘリもここの病院に導入されました。
一方、埼玉県では人口700万人に対し、埼玉医科大学のみ。歴史も浅いし、規模も小さい。学生もわざわざこの大学に行かなくても、都内にいくらでも私立医科大はある。
歴史があるというのは結構重要で、戦前から医学部があれば当然その近くに病院を開設する医師の数も相対的に増え、やがて大きな病院に発展し医師は出身の医局から派遣してもらう・・・
となれば埼玉県は歴史的にも医師の数、病床数が少ないんだと思います。
投稿: みんぶ | 2010年5月 9日 (日) 10時22分
みんぶ様、こんにちは。
当地なのですが、「東京23区に近い」という立地条件が、色々な分野において長所にも短所にもなると思うのです。折角、東京23区に多数の医師がいるのに、そのメリットが当地まで及ばないという事で(人為的とも言えるような高い壁が有る。)、これはもう広域行政連携の課題になってしまっていると思うのです。
埼玉県だけで自立してやるという事になてっても、医療関係者の世界でそのあたりの体制整備が進まないと難しい事になってしまうので、医療関係者の意識改革というのはどういう事になっているのか、非常に興味深い物があります。
また将来「道州制」を実施する事になった場合のエリアの切り方がまた問題で、東京だけ独立した州として残るようであれば、埼玉県の現在の諸問題の解決も困難になってしまうのではないか?と思えます。色々な行政協定を締結して解決する事は可能でしょうが、余計な行政手続が一つ増えてしまうと思うのです。
最低限の対策として、埼玉県のドクターヘリが東京都内の医療機関まで何時でも飛行できるのか、東京都内の航空機騒音問題や飛行制限はどうなっているのか?といった点には興味が有ります。24時間運用が可能なヘリポートは埼玉県内の方が整備しやすい筈なので、埼玉県内体制を充実させる事については、それなりの理由が有ると思います。
投稿: 竹内@ふじみ野.東上 | 2010年5月 9日 (日) 18時37分